MATERIAL MATTERS
PPWRの素材別リサイクル率目標を2030年から2040年まで整理

PPWRの素材別リサイクル率目標を2030年から2040年まで整理

EU向けに製品を輸出しているが、PPWRのリサイクル率目標が素材別にどう設定されているか把握できていない——そんな担当者向けに、2030年・2035年・2040年の段階的な目標値を素材ごとに整理します。

PPWRが定める3段階のリサイクル目標

PPWRでは包装廃棄物の削減を段階的に進める構成になっています。1人あたりの包装廃棄物を2018年比で、2030年までに5%、2035年までに10%、2040年までに15%削減することが求められます。

素材別リサイクル率目標(2030年)

2030年までに達成すべきリサイクル率は素材ごとに異なります。プラスチック・木材・金属・ガラス・紙それぞれに個別の目標が設定されています。具体的な数値はEU規則2025/40のAnnexで定められており、最新の情報はEUR-Lexで確認できます。

プラスチック包装の再生材含有率義務

PPWRではプラスチック包装に対して、再生プラスチック(PCR)の最低含有率が用途別に義務付けられています。

【2030年目標】食品接触PET包装: 30% / 食品接触PET以外: 10% / 使い捨てPETボトル: 30% / その他プラスチック包装: 35%

【2040年目標】食品接触PET包装: 50% / 食品接触PET以外: 25% / 使い捨てPETボトル: 65% / その他プラスチック包装: 65%

リサイクル設計(DfR)とスケールリサイクルの義務

2030年までにすべての包装がリサイクル設計(Design for Recycling)を満たす必要があります。さらに2035年までに、すべての包装が実際のリサイクルインフラでリサイクル可能(Recycled at Scale)であることが求められます。単にリサイクル可能な素材であるだけでは不十分で、実際に稼働しているリサイクル施設で処理できる設計が必要です。

対応の優先順位

すべての目標を同時に達成するのは現実的ではありません。以下の優先順位で対応を進めることを推奨します。

第1優先(2026年8月まで): PPWRの基本要件への適合確認。現在の包装材がリサイクル可能かどうかの棚卸し。

第2優先(2028年まで): リサイクル設計(DfR)への対応。モノマテリアル化の検討と素材選定。

第3優先(2030年まで): 再生材含有率目標への対応。PCR原料の調達先確保とサプライヤーとの契約。

日本企業が見落としやすいポイント

PPWRの再生材含有率は「包装全体」ではなく「プラスチック部分」に対する比率です。たとえば紙とプラスチックの複合包装の場合、プラスチック部分だけで再生材含有率を満たす必要があります。また、食品接触用途の再生材はEFSA(欧州食品安全機関)の認可を受けたリサイクルプロセスで製造されたものに限られるとされています。詳細はEFSAの公式サイトで最新のリストを確認してください。